都市の現代的振興論

20 世紀後半以降、最近までの先進諸国の都市事情(欧米の都市)、都市計画制度、アーバンデザインに関する動向を講義する。これらの講義を踏まえ、最終講義では、人口減少/高齢化に加え産業の衰退、財政の逼迫に直面し、存立の危機(=限界都市化)に直面している、わが国の地方都市の持続可能性について考える。都市は時代の産物である。先進諸国の都市は、産業構造の転換(重厚長大型産業⇒軽薄短小型産業)、人口動態の変化、地球環境問題に対する対応、政治体制の転換(社会主義社会の崩壊)―-などの環境の変化を背景にその「かたち」を変えてきた。ここで「かたち」は、可視的、建設的な意味に止まらず、人々の働き方/暮らし方を含意している。ニューヨークはかつて都市型製造業都市だったが1970年代までに産業が衰退し、市財政は破綻間際まで追い込まれた。しかし、その後、グローバル化の波に乗り、世界の金融/文化センターとして甦った。また、車社会の先端を走っていたロサンゼルスは、環境規制の時代を迎え、公共交通政策を強化し、昨今、公共交通の便利な都市へと大きく変容してきている。欧州では、自動車交通に牛耳られていた公共空間を人間の手に取り戻す、という公共空間の復権運動として都市政策が展開されてきた。近年では、物的環境の改善のみならず、多文化共生や社会的包摂といった福祉的課題をも連動された都市政策が進みつつある。近年の都市政策の特徴は「空間を作って終わり」の姿勢から、そうした空間を「使いこなし、新たな価値を生み出す」姿勢へと変化しつつある。

目次

第1週(ユニット1):先進国の都市活性化像
第2週(ユニット2):都市計画制度の基礎
第3週(ユニット3):先進諸国の都市活性化像
第4週(ユニット4):欧州の都市再生戦略
第5週(ユニット5):アーバンデザイン
第6週(ユニット6):プロジェクト計画からプログラム計画へ
第7週(ユニット7):都市の活性化 地方都市の衰退/再生集約型都市圏構造の構築へ

講師

矢作弘(龍谷大学政策学部特任教授)

講座制作者

龍谷大学